「円高は日本経済にマイナス」という大ウソはなぜ信じ込まれるのか。

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「円高は日本経済にマイナス」のウソ

日本は輸出立国?

なぜこんな大ウソがまかり通るのでしょうか。

戦後の日本経済を輸出で支えたというイメージが強いせいか、今でも日本は輸出で経済が成り立っていると思っている人も多いと思います。

しかし日本のGDPに対する輸出額の割合は実は16%程度なのです。

日本は貿易立国であり、輸出によって成り立つ輸出依存型経済だ」と巷で良く言われますが、実際には内需依存型の経済です。

ちなみに財務省貿易統計の2014年の輸出依存度上位5国は次のようになります。

・オランダ……66%
・台湾………58%
・アイルランド…57%
・スイス………45%
・韓国…………43%

いかに日本は輸出依存ではないのかがわかるでしょう。

しかし日本では経済には「円安が良い」というのが一般的な認識です。

なぜ円高で日経平均が下落するのか?

「だって円高になると株価が下がるでしょ」

と思う人も多いでしょう。「円高は日本経済にマイナス」を信じ込ませる大きな理由は、この「円高になると日経平均が下がる」という事実が大きいかもしれません。

円高は輸出に不利に働きます。しかしその反対に、海外製品を円高の力で安く仕入れられるようにもなります。原材料が値下がりすれば製造コストを抑えることにもつながり、企業の業績アップに繋がります。

つまり市場全体を見渡した場合、円高懸念によって株式が売られる輸出企業もあれば、円高を好感して買われる輸入企業もあるということです。

それなのになぜ、円高になると日経平均株価が下がるのでしょうか? それは日経平均の輸出企業と輸入企業のアンバランスに原因があります。

日経平均株価の構成銘柄の偏り

日本の株式市場を代表する株価指数である「日経平均株価」は、全上場銘柄の株価を平均したものではなく、東証1部に上場している全銘柄から選出した225銘柄の平均株価です。

円高によって日経平均株価が下がるのは、この225銘柄に、ハイテク産業自動車産業といった輸出企業の割合が多いからなのです。

特に自動車産業はいずれも企業規模が大きく、円高の影響を強く受けるため、これらの企業の株価の変動が日経平均株価を大きく左右することになります。

株価の変動が指数に与える影響を「寄与度」と言いますが、日経平均は225銘柄の「平均」ですので、単純に株価が高いと寄与度も大きくなります。

そうした株価の高い銘柄(値がさ株)が輸出企業に多いことも、円高が日経平均を押し下げる原因のひとつになっています。

そのため、円高でこれらの銘柄が売られて日経平均が下がると、日本株全体が下落するかのようなイメージを持ってしまうのです。

円安、円高とリスク許容度

他にも円高で日経平均が下がる要因があります。

日本は世界有数の低金利です。

世界の投資資金は常にどこからか資金を調達して運用しますが、調達する資金は低金利が良いに決まっています。

よって日本の円は世界的な資金調達として使われます。

世界的に景気が好調な時は、投資家のリスク許容度も高まって株式市場は上昇します。ここまでは低金利国も高金利国も同じです。

しかし、為替市場では投資家のリスク許容度が高まれば、資金は日本のような低金利国からブラジルのような高金利国に移動します。

その結果、同じ株高環境の中でも低金利国では「通貨安」、高金利国では「通貨高」と国によって違う動きをするのです。

もちろんリスクオフになるとそれが逆流します。

企業業績は悪化、投資家のリスク許容度は低下して、株式市場は世界的に下落します。

そして為替市場では、低金利国から高金利国に移動していた資金が元に戻ろうとします。そのため、低金利国では「通貨高」、高金利国では「通貨安」となります。

日本円は世界の非常識?

「円高=株安」を刷り込まれている人は、円高が株価下落の原因、日本経済への悪影響と信じ込んでいます。

そもそも円高になるとは円の価値が高まることです。日本経済が悪くなって業績が悪化した国の通貨を買うというのはおかしくありませんか?

円高で日経平均が下がるのはまったく違った要因なのです。

日本では常識となっている「円高=株安」は世界的には間違いといってよいものです。世界的には「通貨高=株高」の国が圧倒的に多いためです。

日本の「自国通貨高=株安」は例外であり、世界的には「自国通貨高=株高」が一般的であることは、投資家であれば認識しておくべき事実です。

一方、日本同様に通貨と株価が逆相関の関係にあるのがスイスです。

「自国通貨高=株安」の日本、スイスなどに共通するのは金利が低いことです。

そして実際に円高が企業業績に与える影響はそれ程大きくありません。悪影響は誇張されています。

円高に対するこうした誤った思い込みは、政策決定などに大きな悪影響を与え、円高対策だのすぐに間違った政策を唱え出します。

というよりも政治家や経済界は自分達に都合良く円高を利用してるとしか思えません。

そしてそれを信じ込んでしまう国民もまた誤った政策に疑問を持たずに追随してしまうのです。

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円高で業績が悪化しても世界企業は何ともない理由

例えば世界企業のトヨタが1ドル100円のときに1,000億円の利益をあげたとします。

ドルで言うと10億ドルの利益となります。

1ドル50円の超円高になって利益が半減して500億円になったとしましょう。当然世の中は円高で業績が下がったと騒ぐことになるでしょう。

しかしドル換算で言えば利益は10億ドルで変わりませんよね。

世界企業であるトヨタは常に世界の決済の基軸であるドルで考え、ドルで動いています

日本円に換算して決算を見ると表面上円高によって減益になりますが、ドルで見れば何も変わらないのです。

世の中の解説を信じ込むな

円高による業績悪化はニュースで何度となく繰り返し報道されます。

景気と為替、株価はそんなに単純な関係ではありません。そもそも日経平均が上がったからと言って身の回りの経済がそんなに激変しましたか?

日経平均が2倍になったからと言って給料が2倍に、売り上げが2倍になるなんてことは無いのです。日経平均は日本の景気を写す鏡だと思うのは間違いです。

日経平均は為替や金融政策によって簡単に上げることができます。

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日経平均が上昇するのは投資家としては喜ばしいことです。しかし日本の経済や景気など一般の人にとってはそれほど大きな影響はないのです。

日本というのは自分の国の通貨価値が下がって喜んでる不思議な国民です。それもその価値の下がる円で預金をしたがるという。。

日本経済を良くするのは円高や円安などの表面的なことではありません。しっかりとした政策と適切な国家予算、そして最終的には民間の努力以外にはないのです。

ただ投資の観点から言えば、世間がどう理解していようが、その内容は関係なく動く方向が大切です。

ニュースの表面的な解説を信じ込まずに、しっかりと世界のマネーの動き、市場の動きを理解するようにしましょう。

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