"ミセスワタナベ狩り"に見る、個人投資家の安易な逆張り傾向と悪いクセ

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経済ニュースなどで「ミセス・ワタナベ」という言葉を見聞きしたことがあるかもしれません。

言葉も面白いですが、その内容をよく見ると、日本の一般投資家の傾向や反面教師となるマイナス面などがわかってきます。

「ミセス・ワタナベ」の一員でもあるあなたはどういう投資行動をとっていますか?

"ミセス・ワタナベ狩り"とは?

ミセス・ワタナベ」とは、日本の一般的な個人投資家を指す言葉で、国内のみならず海外でも使われている言葉です。女性を意味するわけではありません。

そして特にFXなどの為替市場でよく使われます。

日本ではFX投資をする比率が高いことでも有名です。なんと世界のFX市場の半分以上が日本人という調査もあります。

アメリカでは株式投資のほうが一般的です。実際にアメリカの市場は長い年月の間ほぼ上昇し続けてきました。

日本では長い間低金利が続いているということも大きく影響しているのでしょう。2000年代半ばの円安期間に高金利だった外国の通貨を買うFXがブームになりました。

円キャリー取引と言われる金利差を狙った外貨買い・円売りの取引ですね。

もともと「ミセス・ワタナベ」という言葉自体は、1990年代の英紙などで既に使われていたようです。

しかし円キャリー取引が活発になった2005年頃からマーケットに大きな影響力を及ぼす存在として世界的にも「ミセス・ワタナベ」が知られるようになりました。

その人気はとどまることなく、日本の個人投資家たちが、昼休みの間に一斉に円売り・ドル買いの取引を行ったことで、特に何かのイベントや経済指標が無いにもかかわらずドル高に振れるといった、大きな影響を為替相場に与えました。

しかしこれに対して海外投機筋が、相場の取引が薄くなり、少ない注文で相場に影響を起こしやすい時間帯を狙ってミセスワタナベのストップロスを狙いました。

つまりミセスワタナベのポジションと反対の取引を一気にしかけるのです。

ストップロスとはFX取引や株取引において、自分の予想に反して相場が反対に動いてしまった場合に備えて、損失を限定するために行うオーダーのことです。 「逆指値注文」とも言われます。

これにより多くのFX投資家、ミセスワタナベが大きな損失を被ったようです。

これらの海外投機筋による仕掛け的な取引を「ミセスワタナベ狩り」と呼ぶようになりました。

安易な逆張り傾向の個人投資家

安く買って高く売る。これは相場の基本として最初に認識することですよね。

その一つが「押し目買い」というものだと思います。初心者には押し目買いの徹底を強く押す投資の本も多いと思います。

その延長で「逆張り」も個人投資家では多く見られる手法です。

それはそれで大切なことなのですが、その「安い」の認識が曖昧だと、良い安い悪い安いの区別もなく、ただ下がったら買ってしまう、ということになります。

トルコリラ暴落と個人の買い

ミセス・ワタナベ狩りか トルコリラで投機筋と攻防

(日本経済新聞2018/5/28記事より)

、、、それでもミセス・ワタナベの関心がリラに集まるのは、もともと相場の流れと逆方向の取引を好むためだろう。

そもそもリラの対円相場は「2014年末から約3年半ものあいだほぼ一方的に下落を続け、過去最安値圏での下値模索が続いている」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作氏)。

その様子はグラフBで確認できるが、植野氏は「株式と異なり価値がゼロになることはめったにない外貨の場合、ゼロ円までの間のどこかに相場が下がりにくくなる臨界点があるはずだ」と指摘する。足元のリラの対円相場は1リラ=23円程度。そろそろ「臨界点」が近いのではないか――。そんな期待感がリラ人気を生んでいるようだ。

FXで高金利通貨のリラを買った場合のスワップポイント(リラと円の金利差から生まれる収入)も高い。業者にもよるが、年率換算した金利は10%以上になる(証拠金倍率1倍のケース)。

もちろん今のリラ相場は買い場とする見方に異論も根強いだろう。トルコ情勢をめぐる当面の最大の焦点は6月24日に予定される大統領選挙。第一生命経済研の西浜氏は「選挙後の中央銀行の独立性への不透明感が残り、当面のリラ相場は引き続き神経質な展開が続くだろう」と指摘する。一段の下落に警戒は必要だ。

さらに付け加えておきたいのは、ヘッジファンドなど投機筋の動き。FX投資家の外貨買いの持ち高が膨らんでいる局面で、あえて円買いを仕掛けてくるとの見方がかねてある。いわゆるミセス・ワタナベ・ハンティング(ミセス・ワタナベ狩り)と呼ばれる手法だ。

、、、以下続く

「ゆでガエル」状態とは?

個人投資家はチャートとにらめっこしながら売買ばかりしていて、世界の政治状況や金利動向など、グローバルなマクロの動きに少々鈍感な傾向があります。私も実際最初の頃はそうでした。

世の中が変化していることに気づかずに、または無関心で、損切りなどの決断をだらだらと先延ばしにしていまう。投資で誰もが陥りやすい失敗の典型です。

失敗や判断ミスをなかなか認めたがらないという心理学的な面もあると思います。

ゆでガエル理論」というものがあります。

ゆっくりと進行する危機や環境変化に対応することの大切さ、難しさを戒めるたとえ話の一種で、最近も企業経営やビジネスの文脈でよく用いられています。

カエルを熱湯の中に入れると驚いて飛び出しますが、常温の水に入れて徐々に熱していくと、カエルはその温度変化に気づかない、または慣れていき、生命の危機と気づかないうちにゆであがって死んでしまう。

もちろんこれは実際のカエルの話ではなく例え話ですが、元々は欧米で知られており、日本でも書籍での紹介によって少しずつ広まった言葉です。

環境の変化に気づけずにいると致命的な失敗をしてしまうという教訓として知られています。

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高金利には理由がある

トルコリラの例で言いますと、そもそも高金利には理由があります。一言で言えば、危険なものほど金利が高いのです。

10%の金利がつくということは、元本の10%の価値の減少の可能性もあるということです。何のリスクもない安全な商品に10%もの金利がつくはずはありません。

銀行預金だってそうです。

最近はずっと低金利ですが、日本でも昔は5%以上の金利がついた時代もありました。しかしその時代は同じ5%以上のインフレが進んでいたのです。

つまりお金の価値が1年で5%減っていったから金利もそれなりに高かっただけです。極端に言うと損得はトントンと言ったところなのです。

配当だって倒産リスクや株価の下落リスクを許容した上でもらえるものです。

一般投資家、特に初心者は金利というものの正確な理解への意識が低いのでしょうか、高金利に簡単に飛びついてしまうのです。

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「押し目」と「下がったから買う」はまったく別?!

一般的に通貨や株価の値段が下がると、待ってましたとばかりに「値ごろ感」から買いたくなってしまいます。

それまでは高値で少し買うのに躊躇していた買いたい予備軍が、チャート上での下落を見て一気に買いに向かうのです。

もちろん理論的にこの値段は買い、など判断していれば良いのでしょうが、安易に「やっと安くなったから買おう」とか「そろそろ買い時?」などという"気持ち"だけで買ってしまう人も多いようです。

「押し目」や「逆張り」をするにもそれなりに理論的な分析が必要です。上昇トレンドやレンジ相場を確認しているか、業績や金融政策は問題ないか、需給関係は悪くないか、もしトレンドが崩れたら即座に損切りができるか。

さらに個人投資家で多いのは、「売り」から入るより「買い」から入る傾向が強いというのもあります。

本来相場は上昇も下落もある程度同じ頻度で現れるはずです。「買い」と同じくらいに「売り」をするチャンスもあるはずです。

しかし初心者は「買い」から入ってそのまま買いのポジションをキープする傾向にあります。

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チャートだけの判断は危険

相場を見る上でチャートは基本です。しかしチャートに現れない重大なことも多いです。

なぜこんなに下がっているのか。なぜこんなに高い値段で取引されているのか。それらにはかならず理由があるのです。

テクニカル指標にも現れないことも多いです。

世界の経済状況、政治の動き、金利などを軽く見てはいけません。また需給の偏りなどの指標をしっかり見ることも大切です。

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「大勢につく」ことの危険さ

新しく何かを始める時は、だいたい「みんなはどうしているか」「普通はどうするのか」など大多数の行動をもとに始めることが多いですよね。

投資の第一歩もまずは基本を学ぼうと、みんなの行動を真似することから始めるかもしれません。

しかし投資に限ってはそういう意識はあまり持たない方が良いかもしれません。

投資で成功している人は何割か正確な数字はわかりませんが、ごく一部だと言われています。

ということは、多くの人が失敗しているのに、その多くの人の行動を真似しても良いのでしょうか?普通に危険だと思いませんか?

それなのに金融機関で勧められるままに商品を買ったり、ネットや本に買いてあることをあまり考えずにそのままやってみたり。

人の行く裏に道あり花の山

株式投資の格言はたくさんありますが、何をおいてもまず出てくるのがこの言葉です。

投資家は、とかく群集心理で動きがちです。しかしそれでは大きな成功は得られません。それは先ほど書いたように、個人投資家の成功率が事実として数字で出ています。

むしろ他人とは反対のことをやった方がうまくいく場合が多いと昔から言われているのです。

大勢について行動すれば、一見危険は少ないように見えます。

しかし何事においても成功している人は、誰もやらないことを黙々とやってきた人たちです。

世界中にも多くの格言があります。

  • 成功したければ“孤独”に耐えろ
  • 友なき方へ行くべし
  • 相場師は孤独を愛す
  • 株というものは高いときには最上に、安いときには最低に見えるものだ

むやみに意味もなく逆らうことが良いわけでもありません。ただの天邪鬼になってもいけません。

あくまで理論的で客観的でなければいけないのは当然のことです。

ただ大勢があまりにも一方へ偏り過ぎたときなどにはこれらの格言を思い出し、常に自分で考え、自分で納得した行動を取ることを心がけていきましょう。

賢い「ミセス・ワタナベ」にならなくていはいけません。現状は残念ながらそうなっていないようです。

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